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生体情報取得技術

標準化が進むBANにいち早く対応し、
ヘルスケア分野で生体情報を採取する無線技術を確立。
※Body Area Network

積極的な取り組みが進むウェアラブルセンサ関連技術に注目

高齢化社会が進展するなか、豊かで充実した生活が送れるよう、ヘルスケア分野への期待は、ますます高まっています。わたしたち東芝デベロップメントエンジニアリングも、サービス付き高齢者住宅で睡眠の質を検証する社会実証実験にソフトウェアを提供したほか、医科大学の指導に基づいて自律神経バランスから更年期障害の状態を推測するソフトウェアを開発するなど、ヘルスケア分野への対応を積極的に進めています。
このようにヘルスケア分野ではいま、世の中から寄せられるさまざまな期待に応えるため、各種の取り組みが展開されています。その中で特に注目されているもののひとつが、ウェアラブルバイタルセンサの開発です。ウェアラブルバイタルセンサとは、身体に貼り付けることによって、さまざまな生体情報が採取できるもので、心拍センサや脈拍センサ、体温センサなどがあります。こうしたセンサから取り込んだ情報を処理することにより、ストレスや睡眠の状態など、各種の情報が得られることから、幅広いニーズに応えることができるようになると考えられているのです。
そこでわたしたちは、ウェアラブルバイタルセンサ関連技術をコアコンピタンスとして確立するため、その動向に注目してきました。

生体情報計測をケーブルの呪縛から解放しよう

ウェアラブルバイタルセンサの利用例としては、胸に貼ったECG(心電図)センサと指先に装着した脈波センサを使って脈波伝播速度を計測し、血圧の変動を監視するシステムがあります。この方式で目につくのは、ケーブルでそれぞれのセンサを接続している点です。これは、ECGセンサと脈波センサで測定したデータの時間同期を、厳密に行う必要があるため。いま現在、情報を正確にやり取りするには、ケーブルで接続する方法がもっとも確実なのです。
その反面、ケーブル接続には、動きを制限してしまうというデメリットがあります。健康な人でも測定する間はベッドに横たわっている必要があり、日常生活を送るうえでケーブルは何かしらの障害になることがあるため、QOL(Quality of Life:生活の質)は大きく低下します。
そこでわたしたちは、「センサの接続に無線技術が利用できれば、利便性が向上し、簡単に生体情報の計測が可能になる」と考え、ケーブル接続と同様の正確さで情報のやり取りが行える無線技術を新たな研究開発のテーマに決定。そのコア技術として、標準化作業が進むBAN(Body Area Network)を採用しました。

生体情報計測をケーブルの呪縛から解放しよう

ヘルスケアの未来を見据えた研究をスタート

ヘルスケア分野では今後、単一機能のウェアラブルバイタルセンサを利用した取り組みが広がると考えられています。機能をひとつに絞り込むことでセンサが小型化できるため、心電センサなら胸、脈拍センサなら指先や手首と、データ採取に最適な場所へ貼ることができます。この特長を生かし、身体のさまざまな箇所に張り付けた複数の単一機能センサを連携させることで情報の精度が高まり、いままでわからなかった身体の情報が正確に把握できるようになり、より詳しく身体の状態がわかるようになるからです。この未来図を実現するのに最適なのが、BANです。
BANは、身体の表面やごく近くに配置されている各種センサやデバイスを無線で結ぶことによって構築される近距離無線ネットワークです。標準化の策定は医療やヘルスケア分野を見据えて進められており、複数センサの時間同期や緊急情報を優先的に伝達する機能、センサを超低消費電力で動作させる仕組みなどが盛り込まれる予定になっています。
こうした特長からわたしたちは、血圧変動の常時計測システムをBAN規格に対応した無線で構築する研究開発をスタートさせました。

培ってきたネットワークの活用でBAN対応システムを実現

世の中に先駆け、BANに対応した無線システムの構築に取り組むことは、とても刺激的で、やりがいを感じると同時に、苦労も多くありました。なかでも大変だったのが、通信の仕組みを構築する取り組みです。BANを利用した無線システムは、まだ世の中にひとつも存在していないため、検討が進められている規格書から内容を読み取るしか手段はありません。万一、内容の解釈を間違えてしまうと、汎用性がまったくない、異質のシステムを構築することになってしまうからです。
このとき、わたしたちの大きな力になったのが、ヘルスケア分野で進めてきたさまざまな活動を通じて構築したBANに詳しい専門家たちのネットワークです。このネットワークを最大限に活用することで、つねに最新情報をキャッチするとともに、内容のレビューに協力してもらい、開発を進めてきました。
こうして2016年4月、わたしたちは、血圧変動の常時監視システムを、BAN規格に対応した無線技術によって実現しました。

社会のニーズを的確に捉えたヘルスケア・システムを提供

この研究成果を応用することにより、従来はケーブルで接続していたあらゆるウェアラブルバイタルセンサが、無線で接続できます。その結果、センサを身体に貼り付けたまま日常生活を過ごすことができ、身体の健康状態や活動状況をリアルタイムでモニタリングすることもできます。
こうした新しいヘルスケア環境が実現することで、血圧を気にする方がつねに自分の血圧変動を管理し、身体の異変にいち早く気づくことが可能になります。機械や車を運転する方の血圧変動や心拍などの情報を一元管理し、身体の状況をつねに把握することで、操作や運転を安全に行う仕組みづくりに役立たせることもできるようになります。このほか、生活習慣病の予防、高齢者の見守り、看護と介護の負担軽減など、利用シーンは大きく広がります。
わたしたちは今後も引き続き、BAN規格の策定状況を見据え、無線システムの開発構築力を高めていきます。同時に、システムコーデネート力も高め、最適なセンサとBANを組み合わせて、社会のニーズを的確に捉えた各種ヘルスケア・システムの実現も進めていきます。

社会のニーズを的確に捉えたヘルスケア・システムを提供
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