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IoT機器の無線通信技術 事例のご紹介2

マルチコネクション技術:複数センサデバイスと同時接続するBLE通信

このようなお困り事はありませんか?

お困りごと:多数のセンサデバイスと同時に無線接続したいが経験・ノウハウがない

お客様

無線通信を使って多数のセンサデバイスからデータを収集したいが、何台まで同時に利用することができる?市販の製品では接続できる数に限りがあり、利用したい多数のセンサデバイスと接続することができなくて困っている。

当社

多数のセンサデバイスと接続すると一口に言っても、ユースケース次第で最適な方法は異なります。一般的には、利用する無線の規格や無線ICチップなどによって同時に接続できる台数は変化します。また、複数のゲートウェイを利用することでより多くのデバイスを扱うことも可能です。
当社では、無線規格に対する豊富な知見と多くの無線機器開発を通して蓄積されたノウハウを元に、最適な無線規格や無線ICチップの選定、ファームウェアの開発など、機器開発全般をサポートします。

お困りごと:有線から無線に置き換えたいが、パフォーマンスの低下が心配

お客様

現在有線で行っている機器との通信を無線通信に置き換えたい。有線通信ではリアルタイムにデータの取得ができていたが、無線通信でも同程度のパフォーマンスが得られるのか不安である。

当社

無線通信は有線に比べ、電波の干渉などによりデータが欠落することがあります。また、通信容量に見合った実効速度が出ず、データが送り切れない場合もあります。そのためデータが届かない場合は再送するなどの手順を組み込み、実動作上の通信速度を考慮した設計にすることが必要です。
当社では、無線通信の電波干渉を防ぐ、または軽減する方法や通信が届きやすくする工夫、データが欠落した際のリカバリ方法など、より安定した無線通信を実現する様々な提案を行うことができます。

お困りごと:通信の切断やパフォーマンス不足、トラブルの原因が分からない

お客様

市販の無線機器を設置したが、通信が切断されたりデータが取得できなくなることがある。原因が何か突き止め、期待通り動作するよう対策を講じたい。

当社

2.4GHzなどのISM帯では、様々な通信規格が同じ周波数を利用して通信しています。多くの無線機器を設置すると帯域が占有され電波干渉が起こり、期待するパフォーマンスが得られない場合があります。また、機器に搭載するアンテナや回路などの要因によってもパフォーマンス不足が起こり得ます。
当社では、アンテナ性能や電源ノイズ等のハードウェア評価や、実際の通信パケットをモニタ/解析する事により、お客様の実際の環境で起こっている事象の調査を行います。また、調査結果からお客様の期待する結果となるために必要な対策、改善策を提案いたします。

マルチコネクション(複数センサデバイス接続)における、当社の特長・強み

  • ユースケースに沿った、最適な手段や規格の提案

    無線通信は、選択した通信規格や利用方法によってはシステムへの向き・不向きがあります。そのためユースケースによっては、市販の機器やシステムを導入しても、期待したパフォーマンスが完全には実現出来ないなどの問題に直面することがあります。
    当社では様々な無線通信機器開発で培った知見を元に、お客様のユースケースに沿った最適な通信規格や利用方法、システム案を提案、お客様が無線通信で実現したいことを形にするお手伝いをいたします。

  • 無線通信を意識した設計開発

    市販の無線ICチップやモジュールはSDKやサンプルコードなどの形で製造元がファームウェアを提供していますが、お客様の製品に組み込むためにはカスタマイズが必要となるケースがほとんどです。サンプルコードをベースにすれば、動作するものを作ること自体はできますが、もっと通信のパフォーマンスを上げたい、消費電流をもっと減らしたいなどのご要望がある場合には、無線ICチップやモジュールを使いこなすノウハウが必要となります。
    当社では、無線性能を最大限引きだすために、ノウハウ/実績に基づいた回路/パターン設計やソフトウェアの最適化を行う事で、「製品は完成したが期待した性能が出ない」といった後戻りを無くし、コスト削減にも貢献いたします。こうしたトータルな設計ノウハウにより、お客様製品の付加価値と競争力を上げることができます。

  • システム評価による原因究明と対策

    無線通信の機器開発においては、通信の切断、接続状態や通信速度が不安定である、など様々な問題が発生します。こういった現象には様々な要因が考えられるため、原因の特定が難しく、対策や予防策の実施に時間がかかる場合があります。
    当社では、アンテナや回路といったハードウェア性能の検証、無線通信上の問題の解析、システム全体の動作を考慮したシステム評価など様々な角度から問題を特定するノウハウがあり、お客様の問題をスピーディに解決するお手伝いをいたします。

マルチコネクション技術を用いたセンサデバイスからのデータ収集事例

以下は、マルチコネクション技術を利用して複数のセンサデバイスからセンサデータを収集し可視化するシステムを構築した事例です。本システムでは、各センサデバイスに搭載されている加速度センサ、磁気センサのデータをBLE通信でゲートウェイ1に集約し、ゲートウェイ2に有線通信で送信、ゲートウェイ2は集約したデータをBLE通信でAndroidタブレットに送信しタブレットのアプリケーションでセンサデータをグラフ表示して可視化を実現しています。

  • マルチコネクション技術を用いたセンサデバイスからのデータ収集事例
  • マルチコネクション技術を用いたセンサデバイスからのデータ収集事例

ゲートウェイ1と各センサデバイスの通信はマルチコネクション技術により時分割で行われるため、各センサデバイスはそれぞれ電波干渉なく通信することができます。これにより、ビーコン等のブロードキャスト通信を利用したシステムと比較し、データ量の多い通信を高頻度に高信頼性で実現しています。更にリアルタイムなデータ収集を実現する為、各センサデバイスから100msec周期でデータを収集しています。また、ビーコン等のブロードキャスト通信を利用したシステムでは難しい、ゲートウェイ1から各センサデバイスへのデータ送信も実現しています。
本システムは、Nordic Semiconductor社のBLE-ICを利用して構築しています。(センサデバイス:nRF52832、ゲートウェイ:nRF52840)
nRF52840の仕様では最大20台を同時に接続可能となっており、本システムでも実際に20台同時に通信できることを確認しています。
また、実環境下ではさらに多くのセンサデバイスを扱うことも想定されますが、このような環境もセンサデバイスからデータを集約するゲートウェイを複数利用することで実現が可能です。但しゲートウェイを複数設置した場合、通常の制御ではゲートウェイ間の電波干渉が問題となります。
この問題を解決するため、当社独自の技術※を活用いただく事によりゲートウェイ間の電波干渉を回避し、信頼性の高い通信を実現することもできます。

※特許出願済みの電波干渉回避技術です。ゲートウェイのファームウェアに実装可能なアルゴリズムで、ゲートウェイ間で協調し(自律して)電波の干渉を防ぎます。詳しい内容についてはページ下部のカタログを参照ください。

マルチコネクション技術を用いたサービス例

複数のセンサデバイスとそれぞれ電波干渉なく通信を行う仕組みにすることで、各センサデバイスから確実にデータを取得することが可能となります。また、各デバイスとの通信を比較的短い間隔で行うことで、リアルタイム性のあるデータを取得することが可能です。

大容量バッテリセルの状態監視

大容量バッテリの各バッテリセルから情報を集めてバッテリの状態を監視するシステムに応用できます。大規模なバッテリでは複数のゲートウェイを利用する構成にすることもできます。

大容量バッテリセルの状態監視のイメージ 大容量バッテリセルの状態監視のイメージ

心電計の無線化

心電計の電極と本体を繋ぐ部分を無線化することができます。マルチコネクション技術で複数の電極からリアルタイムにデータを取得できます。

心電計の無線化のイメージ 心電計の無線化のイメージ

アクティビティトラッキング

ジムやスポーツチームなどで、複数人のアクティビティトラッキングをまとめて行うことができます。トレーニングの状況をまとめて確認し、フィードバックを行うことができます。

アクティビティトラッキングのイメージ アクティビティトラッキングのイメージ
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